PART 3　コア・百式

　「よし、第２段階に移行する」
　作戦の第２段階。それはこの遠方から、ティタ−ンズの軍事コロニ−に取り付く事である。
　むろんその間に、ティタ−ンズＭＳによる、お出迎えがあるわけではあるが。
　「ドッキング・アウト！」
　「百式・フォーメーション！」
　タイプ・メタスから分離し、コア・ガンダム・タイプ・百式となるべく、展開される隊列。
　「コアチェンジ！。タイプ・百式！」
　三機のドッキング変形が終了し、背中に大きなブ−スタ−と、エウ−ゴＭＳ特有のバイン
ダ−を脚部に持つ、コア・ガンダム・タイプ・百式が姿を現わす。
　このバインダ−は、本来、Ｚガンダムの重力下においての飛行能力を上げるべく開発され
たウェ−ブ・シュ−タ−と呼ばれるタイプの物が使用されている。
　「よし！」
　カミ−ユは、シ−ルドに固定されていたランスを抜き構えた。
　オリジナルの百式の高速戦闘性を背中のブ−スタ−の大型化により強化されたタイプ・百
式は、その高速度をランスに乗せる事で、強烈な貫通力発するようになっていた。
　コロニ−の周辺には、ハイ・メガ・キャノンの攻撃で、蜂の巣をつついたかのように、Ｍ
Ｓが現われはじめている。
　その部隊に、カミ−ユは、本当にこの１機で、作戦通りの事が運ぶのか、不安にかられた。
　しかし、もうすでに口火は切って落としたのである。
　覚悟を決め、ランスを先に、シ−ルドで身体を隠すように構え突進した。
　想像以上の加速がかかり、あっと言う間に、敵ＭＳと交わる位置までつめる。
　Ｇに負けず開いていた瞳は、確実に敵を捉えていた。
　「ウォォォー！」
　カミ−ユの激しい気性がランスに移り、次々とＭＳを弾き飛ばしていく。
　衝撃で機体が震える度に、いっそう激しさを増していくのだった。
　この時、ティタ−ンズＭＳ部隊は、目標とするものが１機であったため、その目標に徐々
に一直線状に向かっていたのが、突進するランスに、より捉えやすくしていたのは、大きな
ミスであった。
　しかし、コロニ−が目の前に迫る頃には、隊列もバラけ、動きに目の慣れる者も現われる。
　「正面にさえいなければ！」
　「！」
　側面から来た、その者のプレッシャ−をカミ−ユは、感じとった。
　今、正面のＭＳを貫いているランスは使えない。
　一瞬の対応の遅れが命取りとなる状況の刹那、カミ−ユは、シ−ルドをプレッシャ−の来
る方向へ向ける。
　「やられるかよ！」
　鈍い音がした。
　ビ−ム兵器が使えない空域で、強力な１撃を食らわせようと肉弾攻撃を仕掛けたＭＳは、
シ−ルドに隠されていた大型クロ−に胴体を挟まれ、攻撃を与えられず終わった。
　タイプ・百式は、深く爪が食い込んだＭＳを後ろへ薙ぎ払い、なおも突進していく。
　コロニ−へ辿り着いたとき、迎撃部隊は壊滅状態となっていた。